スタンダードプリコーションの目的

専門家がとくに気をつける、手指の洗い残し部分

 

医師や看護士など医療に従事するプロフェッショナルは、当然、手術時の手洗いにもっとも神経をつかいます。目的は、一過性微生物の除去と殺菌および常在菌を“いちじるしく減少”させ、かつ“抑制効果を持続”させること。

 

方法も入念で、抗菌性石けんあるいは界面活性剤溶液をもちい“120秒以上ブラシでこすり洗い”するか、“アルコールをベースにした消毒液を20秒以上すりこみ”手指を消毒します。

 

とくに洗い残しがでやすい部分は念入りに洗いますが、どんな部分が洗いそこないやすいか知っておくとふだんの手洗いにも役だつでしょう。手の甲側では、親指とそのつけ根周辺がもっとも洗い残しが多く、ほかの4指は指先から第1関節がやや洗い残しが多くなる部分。以下、小指以外の指の背部分と手首の両サイド、甲の親指寄りと小指以外の指のつけ根部分の順で洗い残しが出やすいとされています。

 

ほとんどきれいに洗えるのは、小指の第1関節の下から背・つけ根から甲にかけて斜め半分くらいまでの範囲と、思ったより少ないことに驚かされます。洗いやすそうな親指が、実はいちばん汚れや雑菌が残りやすいというのも実に意外な事実ですね。日常の手洗いでも、親指に気をつけてみてください。